2012年2月号


岐阜高専ロボット研究会が部内ミニロボコン大会を開催!



2012年1月15日にロボット研究会が部室にて2年生を主体とした部内ミニロボコンを開催しました。
ロボット研究会では毎年技術向上のため、このようなミニロボコン(通称「ミニコン」)を行っています。
これまでのミニコンは主に2年生の育成が目的で開催していましたが、昨年は1年生を主体としたミニコンが行われ、今年も同じようなものを計画しています。
(写真をクリックすると拡大した画像が表示されます。)



今年の2年生主体のミニコンは四方を木の壁に囲まれたフィールドの中で2つの陣地に別れ、相手チームの頭上に取り付けた洗濯ばさみをピンポン 玉で撃ち落とし合い、3分間でより多く残っていたほうが勝ちというルールで行い ました。
今回のミニコンでは二足歩行にすると取り付けられる洗濯ばさみが2倍となるルールがあり、近年のロボコンの傾向からこんな技術を身につけて欲しいというような願いも見受けられました。
最初に付けられる洗濯ばさみの数は二足歩行は8個、それ以外は4個。そして最初に所持できるピンポン玉の数は全チーム15個。取り込み機構をつければ、自陣にあるピンポン玉は自由に取り込んで使うことができます。
洗濯ばさみを取り付ける位置はロボットの最上部(250o〜300o)で、囲むなどして攻撃自体を防御することはできなくなっています。
3分以内で決着がつかなかった場合、静止した相手の4〜8個の洗濯ばさみを10秒以内に撃ち落とした数で勝敗を決めるPK戦になります。



1〜2年生の部員達はA,B,Xの3つのチームに分かれ、大会が行われました。
出場したロボットの特徴をAチームから順番に紹介していきます。




Aチーム・・・FA(唯一の二足歩行ロボット)


Aチームのロボットの最大の特徴は安定した二足歩行です。
コの字型の足を組み合わせて小さな歩幅で素早く歩き、片足立ちから旋回まで自在にこなします。射出機構は縦向きのローラーによるもので、山なりの軌道を描いて飛びます。





Bチーム・・・クワトロ(唯一の多足歩行ロボット)


Bチームのロボットの最大の特徴はフルサーボによる四足歩行です。
歩行自体は苦手なものの、サーボの足を生かし様々な方向へ砲台を向けられるようにしています。射出はエアシリンダーによる押し出しにより真っ直ぐで威力の高い玉を打ち出すものです。



ちなみに上の写真の右下においてあるものはガウス加速器といって、磁石の力によって加速された鉄球をピンポン玉に打ち付けて飛ばすように設計された砲台です。
足への負担を軽減するため、大会ではロボットにのせずに出場しました。




Xチーム・・・ゴロリ(唯一のタイヤ走行ロボット)


Xチームのロボットの最大の特徴は唯一実装された取り込み機構です。
唯一のタイヤによる走行にし、取り込み機構とばねにより押し出す3身の砲台を大きさの規定ギリギリの巨大なボディに収め、頭上より低いところからの攻撃を防ぐ屋根を付けています。



大会はそれぞれのチーム1回ずつ対戦する総当たり戦を行いました。
それでは大会の様子を各試合ごとに紹介していきます。



第一試合・・・Aチーム VS Bチーム



第一試合はFAとクワトロとの対戦でした。
初めは洗濯ばさみの多いFAが有利かに見えましたが、二足歩行による振動により外れてしまったり、クワトロの的確な射撃により撃ち落とされたりしてしまい、FAの射撃は山なりで威力の低いものだったため攻撃もままなりませんでした。
さらにFAの打ち出したピンポン玉がクワトロの打ち出し部分にうまく入ってしまうというアクシデントもあり、FAの洗濯ばさみはクワトロに全て撃ち落とされてしまいました。

結果・・・Bチームの勝利!!





第二試合・・・Bチーム VS Xチーム



第二試合はクワトロとゴロリとの対戦でした。
第一試合で見せたクワトロの強力な射出がこの試合でも勝利に導くかとおもいきや、ゴロリの鉄壁の防御(屋根)を超えることは出来ませんでした。
そしてゴロリの3身の砲台による暴走気味の猛攻に太刀打ち出来ず、洗濯ばさみを撃ち落されゴロリの勝利となりました。

結果・・・Xチームの勝利!!





第三試合・・・Aチーム VS Xチーム



第三試合はFAとゴロリとの対戦でした。
第一試合ではクワトロに敗北を喫したFAでしたが、足の速度を変えて振動を少なくし、正面にとても強力な打ち出しをするように調整して試合に望んできました。
対するゴロリは前試合からの発射機構の暴走により発射の制御ができないままの試合となりました。
大幅な調整を加えたFAが、暴走を止めて発射できない状態のゴロリに一方的に攻撃して勝利をつかむとおもいきや、今度はピンポン玉が装填部分でつまってしまいなかなか攻撃が出来ずにいました。
その間に攻撃しやすい位置に移動したゴロリが発射機構の暴走を発動させ猛攻を仕掛けました。そしてFAの洗濯ばさみを撃ち落とします。
しかし玉が切れるまでに2倍の洗濯ばさみをすべて撃ち落とすことは出来ず、さらに撃ち出す時の振動により自分の洗濯ばさみも落としてしまいました。
ゴロリは取り込み機構を使って攻撃を続けようとするもうまくいかず、FAも攻撃することができないまま試合が終了しました。
FAがかろうじてゴロリよりも多くの洗濯ばさみを保持しており、勝利を手にしました。

結果・・・Aチームの勝利!!





全チーム1勝1敗で引き分けのため、時間を置いて再試合が行われましたが結果は変わらず、大会は終了しました。



「ミニコン大賞」Bチーム
「優勝」全チーム
「アイデア賞」Xチーム
「技術賞」Bチーム
「デザイン賞」Xチーム
「部長賞」Aチーム
「キラビヤカ賞(特別賞)」Aチーム


Aチームは、唯一の二足歩行という点と打ち出しの時の特徴的な動きが評価され、部長賞とキラビヤカ賞を受賞。
Bチームは、フルサーボによる多足歩行とその足による自在な動きが評価され、ミニコン大賞と技術賞を受賞。
Xチームは、唯一の取り込み機構と要塞のような外見が評価され、アイデア賞とデザイン賞を受賞。
各チーム全く違った機構を用いたロボットを作り、しっかり動かして競技をこなすことができていたため、やっていても見ていてもとても楽しい大会となりました。しかし、暴走や玉詰まりなどにより力が発揮できなかったところもあり、つめが甘いところがあったと思います。
実際の高専ロボコンではちょっとしたつめの甘さが命取りとなるので、この経験を生かして万全の状態で大会に臨めるよう努力していきたいと思います。



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