鳥の形をしたアトラクタについて説明する。[6]
以下に示す式 (3.2) のような二つの差分方程式により、
図 3.3 のような図形が得られる。
初期点は とする。
この式の特徴は、 羽根状図形の近くに、初期値をどのように選んでも、 最終的にはこの図形に収束し、 得られる図形は同じものになる。
このように最初に出発する点に依存せず、 点列が同じ集合に吸い込まれて動く場合に できる集合のことを、アトラクタと呼んでいる。 この図 3.3 のアトラクタは まだその性質が良く分かっていないことと、 形が奇妙なことからストレンジ・アトラクタとも呼ばれている。 このように単純な二つの式から複雑な図形を描くことができる。 つまり、カオスを用いることにより単純な式で複雑な事柄を表すことができる。
次にフラクタルについて説明する。フラクタルの特徴として
「大域構造が局所構造そのものである」
仮に、初期状態を変えても同じフラクタル集合が得られるので図3.4は羊歯の葉のアトラクタであると考えられる。そのためストレンジアトラクタ=フラクタルであると考えられている。[1]