ここでは McCulloch と Pitts が提案したニューロンモデルを図2.2に示す[5]。
式(2.1)において、 はi番目の入力のシナプス結合の強さを表し、 i 番目の入力が来ると(すなわち
)ニューロンの膜電位が
だけ変化することを示す。
が正であれば興奮性シナプスを、負であれば抑制性シナプスを表し、また結合がなければ
である。また式(2.1)の
はしきい値を表し、各入力にシナプスの重みを掛けた荷重和
がしきい値
を越えたときのみ、ニューロンが興奮して電気パルスを出力する(すなわち y=1 )離散時間モデルである。ニューロンモデルは、一種の多数決で出力を決める素子である。ただし、各入力
の一票の重みは
であり、この一票の格差を積極的に利用するものである。この際、抑制性のシナプスはマイナスの票を投じることを意味する。
ニューロンモデルの各入力および出力は、1または0の値をとり、1はニューロンが興奮・発火した状態、0は静止状態に各々対応する。 このように、出力として0、1の二値をとるようなモデルを、 入力の総和がしきい値を越えた時のみ1を出力することから、 線形しきい値素子モデルという。