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5.6.2 考察

実験 2.2で述べた、``CDE''を検出する際``DE''でも発火してしまうというような性質は多少残っているが、 100000回学習や 1000000回学習においてはそれで発火してしまうということもなく、この性質は以前からの値をフィードバックさせることによって軽減できることが確認された。しかし、 10000回学習においてはある程度学習できていた``EDCBA''のパターンが 100000回学習や 1000000回学習においては学習されていたものを忘れてしまうというような現象が起こっている。他のパターンは学習されていることから、このモデルは長い周期パターンの検出には適さないと考えられる。 おそらく、周期パターンが長くなればなるほどフィードバックは限りなく前のデータを記憶しているわけではないので、学習が進めば進むほど中間層の自己組織化が崩れてくるものと思われる。 また、本格的に学習される層が入力から離れているので、その分入力の特徴を捉えることが出来なかったとも考えることができる。 以上のことより、このモデルは長い周期パターンを学習できないといえる。従って、今一度、実験 2.1で扱ったモデルに戻る必要がある。



Deguchi Toshinori
1996年12月18日 (水) 11時08分12秒 JST