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第6章 結言

カオスニューロンを使用せず中間層にフィードバックを用いたモデル(モデル1)は、簡単な周期パターンは学習できるが複雑なパターンは誤ってパターンを検出することが明らかにされた。 モデル2においては、周期パターンの最後の二つが揃っていれば、それ以前のパターンが何であろうと検出してしまうことか確認された。 モデル3はモデル2のフィードバック層に以前からの記憶を残したものであり、誤った学習は防止できたが長い周期パターンを学習できなかった。 モデル4はモデル1のフィードバック層にシミュレータを用いてカオスニューロンを用いたものだが、モデル1の結果と何ら変わることなく、シミュレータでは周期パターンは十分に学習することはできなかった。 ニューラルネットワークの中間層にカオスニューロンを用い、カオスニューロンの内部状態をあらわす tex2html_wrap_inline1554 の各パラメータを変化させる学習を行なう(モデル5)と、周期パターンを学習することはほぼ可能であるということが確認された。

本研究では、``ABCDE''のパターンの組合せのみで実験を行なったものであり、ネットワークに対応できうる限界があるのか、素子数を増やせばどんなパターンでも学習出来るのかなどは現在のところ不明である。

そこで、今後のテーマとしては次のことが揚げられる。

である。

周期パターンの学習については、誤差が大きいまま学習が進む。また、カオスニューロンにおける tex2html_wrap_inline1554 の各パラメータも変動するので、それと学習、誤差の関係についても調べてみる必要がある。

謝辞

最後に、本研究に対し一年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝するとともに、同研究室において共に学んだ板生成弘氏、舘智司氏、久木雄一郎氏に厚く御礼を申し上げます。



Deguchi Toshinori
1996年12月18日 (水) 11時08分12秒 JST