前の実験で、誤差が というとても精度の良い結果が出たが、
これは、蛙の合唱のような短い曲の場合、
過去10音だけで次の音が決定することができるからだと考えられる。
この場合、更に以前の音は必要ないので普通のニューラルネットでも
学習できると考えられる。そこで、カオスニューロンの固有のパラメータをすべて0
にし、結合荷重だけを学習するようにして、普通のニューラルネットとして実験する。
10万回学習させた時の経過を図(6.2)(6.3)に示す。
結果は、誤差は まで減少した。この値は、c言語のprintf文の書式%lf
を使って出力したものなので実際には微小な値があるかもしれないが、
カオスニューラルネットよりも精度が良く、十分学習できたと考えられる。
カオスニューラルネットがニューラルネットよりも悪い結果になったのは
意外であったが、カオスニューラルネットのフィードバックや内部状態増大など
によって学習が遅れたのではないかと推測される。なぜなら、カオスニューラルネット
の誤差は、まだ減少する傾向があり、学習を重ねることにより0になると
考えられるからである。
よって、 という小さい値は気にする必要はないと考えられる。