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実験概要

この実験では、第4章で述べた 自己組織化マップによる気象パターンの分類や学習を用いた予測方法によって、 降水の有無、最高気温、最低気温の予測精度がどのようになるかを調べた。

入力データは、降水確率や気温の変化に関係ありそうな 気圧、降水量、気温、湿度、日照時間の5項目、11種類のデータを 第4章で述べたように すべての振れ幅を0〜1000までと統一して正規化した値を用いて行った。 また、降水量は上限を50mmとして、それ以上の降水は異常値ということで カットした値を対数化して、さらにそれを0〜1000に正規化した値を利用した。

まず、新しい予測方法と比較するために去年と同じように、[12] 天気のパターンを分類したマップの結果から翌日の気象の予測を行うための もう一つのマップを作る方法で降水の有無と最高気温、最低気温の予測を行い 実際の値と比較してその誤差を求めた。 降水の有無は気象庁の実際の検証方法に従い、1mm以上の降水を降水あり、 それより下の降水を降水なしと判定した。 また、気温は測定値と実際の値との平均二乗誤差を求めた。

次に、天気のパターンを分類したマップの座標の推移のパターンを 学習させたマップを作る方法で予測を行い、実際の値と比較してその誤差を求め考察した。 座標の推移のパターンを学習させる量は、5日前からと10日前からの推移を見る場合を調べた。

これらの予測方法、入力データを用いて 表5.1の9カ所の地点の観測データを用いて気象の予測を行い、 予測精度に関する特徴を分析し考察した。


表 5.1: 予測対象とする地点
地点 特徴
東京都 東京 気象庁が予報精度検証に使用している地点
北海道 稚内 最北端の気象観測所で平均気温が低い地点
秋田県 秋田 夏と冬の気候が極端に違う地点
新潟県 新潟 日本海側に位置し、豪雪地帯に含まれる地点
. 滋賀県 彦根 周囲を山に囲まれ、気候の変動が少ない地点
和歌山県 潮岬 太平洋側に位置し、季節風の影響を大きく受ける地点
香川県 高松 瀬戸内気候に属し、雨が少なく温暖な地点
島根県 松江 日本海側気候に属するも冬期は雪が少なく雨が多い地点
沖縄県 那覇 沖縄本島に位置し、平均気温が高い地点



Deguchi Lab. 2013年2月28日