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: 参考文献 : kimura : 実験2の結果   目次

結論

本研究では、個々のニューロンが自身の内部状態により結合荷重を変化させるかどうかの判定をし、追加学習を行なう逐次学習法を用いた。逐次学習法では、いくつかのパターンを入力し、継続的に学習させた。そのネットワークに学習させたパターンに似たパターンを入力して、どれだけの引き込み領域があるのかということを調べた。

それぞれのネットワークの素子数を100、200、300、400において学習を行った。 実験用入力パターンの反転させたビット数が少ないときは、学習させたパターンの全てを引き込むことができた。反転させるビットを多くしていくと、全ての学習したパターンを引き込むことはできなくなる。 また、学習させるパターンを増やしていくと全てのパターンを引き込める反転ビット数が減っているといくということもわかった。また完全に学習したパターンに収束できる範囲を完全引き込み領域として、この点に着目した。 完全引き込み領域は、どの素子数においても学習させるパターンが増えるに従って、小さくなっていくということが確かめられた。 また、各素子での1パターンでの完全引き込み領域に着目してみると、学習を行った素子数の50%までの違いのパターンであれば、引き込めるということがわかった。また、各素子の最大完全学習数のパターンでの完全引き込み領域を調べると、どの素子数においてもおよそ2%であるということが確かめられた。

これらの結果より、この逐次学習法では、どの素子数を用いてもパターンを入力させる際に、ネットワークの素子数に対して2%の違いであれば引き込めるという結果が得られた。 今後、この特性が今回使用したランダムパターンだけであるのか、他のパターンを用いた際にどのような結果が得られるかなど調べる必要がある。

謝辞

最後に、本研究を進めるに当たり、多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝するとともに、同研究室にて助言をいただいた専攻科の松野圭将氏、共に学んだ西川久美子氏、松田淳志氏、水谷健介氏に厚く御礼申し上げます。



Deguchi Lab. 平成21年3月6日