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カオスニューロンモデル

実際のニューロンは、容易にカオスを生成するにもかかわらず、 2章で述べたような従来のニューロンモデルは、 ほとんどが周期的である。 このことは、従来のモデルでは考慮していなかった実際のニューロンの 何らかの特性が、カオスの生成に寄与していることを示している。

従来のモデルでは、「ニューロンの活動電位の生成過程は全か無の法則に従う 階段関数で与えられる」と考えられていた。 しかし、これはあくまでも伝搬性活動電位に関するものであり 空間固定の条件で注意深い実験を行なうと、実際の神経膜の活動電位生成過程は、 厳密には全か無の法則には従わず図 2.3 のシグモイド関数の ような連続的に大きさが変化する活動電位特性を有する。 そしてこのことがニューロンのカオスを生み出している。 つまり、ニューロンのカオスは全か無の法則の不成立ゆえに 成立するのである[7]。



Deguchi Lab. 2012年3月9日