先で述べたカオスニューロンモデルの相互結合系として、カオスニューラルネットワークモデルが構成できる。図 3.4のような相互結合型のニューラルネットワークは、ネットワーク内のニューロンをお互いに対等に結合し合っている。これでは原則として、ネットワークの構成要素である各ニューロンは、他の全てのニューロンと結合しており、各ニューロンの出力が平衡な値に収束することで情報処理が完了する。全てのニューロンがそれぞれ入力を受け、出力を出す。
ネットワークにおいてニューロンが、外部の信号と他のニューロンの出力を入力として受けるとする。すなわち先に示したカオスニューロンの式(3.2)の入力を、外部の信号と他のニューロンとに分けて表す。
は時刻
での
番目ニューロンの出力を、
は時刻
での
番目ニューロンの内部状態を表す。また
番目のニューロンの内部状態を、外部入力に関する項
、他のニューロンからのフィードバックに関する項
、不応性に関する項
の3つの項に分け、それぞれ以下の式(3.6)で表す。
なお式(3.6)中の各記号の意味は下記の通りである。