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ヤコブ・ニールセンによるユーザビリティの定義

  インターフェース工学分野での権威であり、Webにおけるインターフェースやユーザビリティに関する研究の第一人者であるJakob Nielsen博士が著書の「Usability Engineering」[3]の中で語っているユーザビリティの定義をここで紹介する。 著書によれば、コンピュータシステムの受容性を最上位概念とし、その下位概念としてユーザビリティが存在するとしている。 ここで言うシステムの受容性とは、システムがユーザ及びそのクライアントや管理者すべての要求を満たしているかという事である。 図2.1はシステムの受容性を簡単に図式化したものである。 さらに、下位概念のユーザビリティは5つの項目から構成される。

これらの定義は必ずしも網羅的、かつ相互排他的になっておらず、概念定義としては十分なものではない。 また、それぞれの品質要素は、学習のしやすさや効率などの諸側面において問題がないようにと考えられており、いわばnon-negativeな特性の集合となっている。 言い換えれば、Nielsenにおけるユーザビリティは、そのような問題点がないことを意味しており、ネガティブな側面を0レベルまで向上させるという意味合いを持っている。

また、Nielsenは、ユーザビリティと対比させてユーティリティ(Utility)という概念を位置づけている。これは機能や性能のように製品やシステムのポジティブな側面である。言い換えれば、0レベルからプラスの方向に製品の魅力を増してゆくものである。

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図 2.1: システムの受容性の構成



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