これらのグラフから,を変化させる幅が大きいと学習能力が下がってしまうということがわかる。変化させる幅が小さい場合を載せた図5.4では,
が一定の場合よりも良い結果を出しているものがいくつか見られる。しかし,図5.5では,一定の場合よりも良いものがひとつも見られない。そして,変化させる幅が大きくなるにつれて,学習能力が下がっていることがわかる。さらに見ると,幅が
になると学習に成功したパターン数が急激に減少しており,ついに
からは全く学習できなくなっている。このことから,
を変化させる幅が大きすぎると,学習能力が低下してしまう場合があると考えられる。
変化の幅が小さいものは,図5.4では大きな違いは見られない。これらを比較してどの値が良いかを検討するには,図5.6と表5.4を見て考えてみる。
図5.6は図5.4を拡大したもの,表5.4は,それぞれの場合における全パターンの学習成功に要した同一パターン連続入力回数をまとめたものである。図5.6より,が
より大きいもののグラフは,
が一定のグラフよりも下側にあることがわかる。また,表5.4では,変化させる幅が
のとき最も連続入力回数が少ない。これらの結果から,
を変化させる幅は
が最も良いと考えられる。