最急降下法は、関数の極小、あるいは極大値を見つけ出すためのアルゴリズムである。この方法は、山下り法(山登り法)とも呼ばれる[5]。 例えば、登山中に深い霧の中で立ち往生したとき、自分の周囲の傾斜を見て、より低くなっているほうに進む。 すると少なくとも1つの窪み(極小点)に到達できる。原理を図 4.1に示す。
今、ある についての関数
の極小値を求めるとする。適当な初期値を設定し、局所探索を繰り返すことによって極小値を求める。
まず
の初期値として
を与える。このときの
の傾きを調べ、
の値が減少する方向に
を変化させる。
変化した結果
となったとする。さらにその時の
の傾きを調べ、
が減少するよう
を変化させる。
同様の操作を繰り返すと、極小点に到達する。このとき
であるとすると、
の傾きは0であり、
をどちらに移動させても
の値は増加する。
これによって繰り返し行う計算は終了する。関数
の傾きを
とすると、
の更新は式 (4.2)のように表される。
式 (4.2)の は
を更新する際の更新する度合いを定める定数である。