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2.2 ニューロンのモデル

ニューロンは多くのニューロンから入力を受けて一つの出力を出すことから、多入力1出力の素子であると考えられる。 ニューロンは他のニューロンからの信号を受けとり、それを重み(荷重)つきの総和という形で総和し、その結果興奮するかを決める。 ここで重みというのは、「他のニューロンの出力を、どの程度の割合で受けとったニューロンの入力とするか」この割合を示す値である。 重みはニューロン間それぞれによって異なる値をとると考えられている。

ここで1つのニューロンがn個のニューロンから入力を受けているとする。 i個目のニューロンの出力を tex2html_wrap_inline1174 ( tex2html_wrap_inline1147 )、それぞれの重みを tex2html_wrap_inline1178 と表すと、最も単純にはi番目のニューロンからの入力は、 tex2html_wrap_inline1182 と表される。 この重みはシナプス荷重とも呼ぶ。 今、簡単のために各細胞からの入力 tex2html_wrap_inline1182 が単純に加算されたもの( tex2html_wrap_inline1186 )がそのニューロンの入力の総和になるとする。 そしてその総和がしきい値 tex2html_wrap_inline1188 を越えた時に、ニューロンが興奮するものと考える。さらに軸索は減衰のないものと仮定する。 このようにして一つのニューロンの出力が決まるものと考えられる。

ニューロンの数理モデルが図 2.2 であり、式で表すと次のように表せる。

   figure26
図 2.2: 数理モデル

   eqnarray30

式(2.1)は、他のニューロンからの出力に荷重を掛け、その総和がニューロンに与えられる。 そしてそこからしきい値 tex2html_wrap_inline1188 を引いたものが、uであることを意味している。 このuを膜電位、もしくは内部ポテンシャルと呼ぶ。



Deguchi Toshinori
1996年10月08日 (火) 16時08分54秒 JST