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ニューラルネットワークとエネルギー関数

  神経回路網において, 状態が時間とともにどう移り変わっていくのかを 調べる方法として, エネルギー関数を用いたものがある。

ホップフィールド(Hopfield)らによって, 対称的なシナプス結合 tex2html_wrap_inline1183 を持つ ニューラルネットワークにおいて, エネルギー関数が存在して, ニューラルネットワークはこのエネルギーを 減少させるように動作することが示された[6]。

このニューラルネットワークの振舞いは図 2.6 に示すように, 一種の山下り法(最急降下法)で, なめらかな凹凸を持つ曲面上を 転がるボールの動きと同様であり, 最終的にはエネルギーの谷である 曲面のくぼみ(図 2.6 の極小値 A や点 B)に到達する。

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図 2.6: エネルギー曲面

エネルギー関数がどのような形状を持つかは, 素子間の結合荷重分布などの ニューラルネットワークの構造によるが, 一般に, エネルギー関数は多くの極小点を持つ多安定関数になる。 たとえば, 各極小点を記憶の内容と考えると, ボールが斜面を転がる過程は, 記憶の内容を思い出す(想起)過程と考えることができる[7]。



Toshinori DEGUCHI
2003年 4月14日 月曜日 09時55分33秒 JST