実験1では降水量の対数化したものを使い予測を行った。 降水量の対数化では、パターン分類時に大雨の影響を減らし、降水量が少しのときには細かくとることができた。 しかし、翌日の気象を自己組織化マップによる学習で予測する今回の手法では、 大雨が降ったときや年間を通して降水量が多い地域の場合、 翌日の気象の学習に大きな影響を与えてしまい、 全体の降水の有無が殆ど降水有りという予測になるという学習の失敗がみられた。
そこでこの実験では、入力データの降水量をそのまま使うのではなく、 降水量を段階に分けることで、 降水量が多い地域でも自己組織化マップによる学習で予測が可能であるかを検証する。
今回の実験では降水量を表5.8の4つの段階にわけて学習させる。 降水量を段階にわけることにより、「雨が降ったか」や「大雨であったか」 ということだけをみることができる。
この方法より降水量が多いときでも学習により 周りに与える影響を小さくすることができると考えられる。 また、結果として降水量を予測することは困難になるが、 降水の有無にしぼった予測が可能であるため、降水の有無の適中の予測精度が上がると考えられる。