大正3年9月18日
新潮文庫創刊 翌年にかけて40篇発行される。 (第一期新潮文庫)
四六半截の小型本で海外文学の翻訳もの。

大正6年1月28日
ヱルテル叢書創刊 昭和2年までに18冊発行される。
この時期には新潮文庫と名乗る本は出版されていないが、 ヱルテル叢書が新潮文庫にあたるものと考えてよいと思う。 ヱルテル叢書は菊半截の本で第一期新潮文庫を受けて海外の小説の翻訳ものである。 点数は少ないが広く読まれた。

昭和3年12月10日
新潮文庫再び発行を始める。(第二期新潮文庫)
この新潮文庫は四六版で一冊一円の本で、 文庫というよりは単行本に近い。日本文学が主で以前の新潮文庫とは 趣を異にする。昭和5年迄に19冊発行された。

昭和8年4月10日
新潮文庫3回目の発行が始まる。(第三期新潮文庫)
この文庫は菊半截で現在の新潮文庫の直接の祖先といえる。 岩波文庫などの影響のもとに発行されたもので、創刊時に一挙に 24冊発行された。昭和19年を最後に新刊はない。

昭和22年7月16日
戦前の新潮文庫はすべて絶版とし、改めて新潮文庫 が発行された。(第四期新潮文庫)
今でも発行は続いている。 昭和25年頃に表紙が変わり、整理番号がつくようになった。

以上が新潮文庫の主な流れである。この他にも傍流にあたる文庫が 多数出版されている。

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