研究テーマ

HP-4194Aを用いた誘電率自動測定プログラムの開発


卒業論文序論の紹介

 自発分極を持ち、電界によって自発分極の方向が変えられ、電界を取り去った後にも残留分極を示す誘電体を強誘電体と呼ぶ。 強誘電体には、温度を変化させていくと自発分極が消滅する温度がある。これはキュリー温度と呼ばれる。 強誘電体は、Tcを転移温度として高温側の常誘電相から低温側の強誘電相へ相転移する。 多くの強誘電体では、キュリー温度の近傍で大きな誘電率の発散が見られる。 このため、強誘電体の相転移の研究では誘電率の温度依存性を調べることから始められる。
 また、誘電率は周波数の関数であるため、誘電分散を測定することにより、誘電緩和現象が観測できる。 これにより、強誘電相転移現象の機構解明につながる情報を得ることができる。
 そこで本研究では、パソコン、インピーダンスアナライザ(HP−4194A)、 GP−IBインターフェースボード(AZI−4301)を用いて発振周波数を変化させながら、各周波数における静電容量Cp、 損失係数Dを測定し、誘電率を計算する誘電率自動測定プログラムの開発を行った。