研究テーマ

マイクロコンピュータを学ぶためのCAIソフトの開発


卒業論文序論の紹介

 近年、さまざまな分野の製品にはマイクロコンピュータが使用されている。 しかし、マイコンがどのように活用されているかをよく理解している学生は少なく、本校の学生においても例外ではない。 本学科では1年生の電子制御工学実習においてZ80マイクロコンピュータボードを組み立て、簡単なプログラムを作成して実行したりする他、 4年生の前期に電子制御回路の講義の中でマイコンの構成やマイコンに使用する命令語などについて学習する機会が設けられている。 しかし、半期間の間では短すぎてマイコンの基礎すら確実に理解することは難しい。 また、特にマイコンの中で命令がどう処理されているのかなどは目にみえないため、マイコン自身に対して親近感がわかない。 これがマイコンの動作を学習する上で、興味を持てない原因の一つである。
 そこで本研究では、少しでもマイコンに対して親近感を持てるようなコンピュータ支援教育 (Computer Assisted Instruction/Computer Aided Instruction:CAI)ソフトの開発を試みた。 本CAIソフトでは、テキストでは表現できないような動画的な部分を取り入れ学習意欲の向上を図っている。
 一方、近年ではインターネットやネットワークの急速な普及により、ネットワークを用いた教育支援ソフトも多数見受けられる。 ネットワーク上で公開することにより、より多くの人がソフトで学ぶことが可能となる。 そこで、本研究でも最終的にネットワーク上で公開することをふまえて開発にあたった。
 本CAIソフトでは、マイコンの動作説明にはZ80MPUを選んでいる。Z80MPUは、8ビットMPUの中では多数の使用実績があること、 また、マイコンの動作を学ぶ上でアーキテクチャが簡単であること、さらに1年生でZ80マイコンボードを組み立てており、 それを用いてプログラミング実習ができることなどを考慮して選んだ。