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結論

本研究では、3つの教師信号を構成し、内部記憶を持つニューラルネットワークを使って、遅れ時間1と遅れ時間2の遅れ学習を用いた。そして、時間の刻みを小さくした時、ゲームプレーヤーの時系列制御にどう影響するか調べた。 遅れ時間1の遅れ学習では、どの教師信号における学習でも移動距離の出力誤差は0.15以下 の値に収まった。 このことから、どの教師信号においても学習は成功したと言える。 また、プログラムの誤りを修正したことにより、昨年の研究で成果を上げている結果より出力誤差の小さい結果が得られた。

また、遅れ時間2の遅れ学習を用いた学習では出力誤差が振動してしまったり、収束しなかったり出力誤差が不安定になることが分かった。 しかし、ゲームプレーヤーの視覚的評価ではどの教師信号の時も理想出力に近い出力をしていることが確認できたので、 遅れ時間2の遅れ学習を用いた時もうまくプレーヤーの学習ができていたと言える。

遅れ時間1の遅れ学習を用いゲームの時間の刻みを小さくした時、教師信号No.1は回転角度、教師信号No.3は移動距離の出力誤差が時間の刻みを小さくしない方より大きくなってしまったが、それ以外は時間の刻みを小さくした方が出力誤差は小さくなった。このことから、不安定なところがあるものの時間の刻みを小さくすることでよい学習をすることができることが分かった。

また、遅れ時間2の遅れ学習を用い時間の刻みを小さくした時のプレーヤーの出力誤差の影響を調べた。 遅れ時間2の遅れ学習を用いた時も教師信号No.1は回転角度、教師信号No.3は移動距離の出力誤差が時間の刻みを小さくしない方より大きくなってしまったが、それ以外は時間の刻みを小さくした方が出力誤差は小さくなった。 このことから、遅れ時間2の遅れ学習を用いた時も教師信号No.1の回転角度、教師信号No.3の移動距離の誤差は時間の刻みを小さくすると大きくなるものの、他は時間の刻みを小さくした方が誤差が小さくなることが分かった。

遅れ時間1の遅れ学習、遅れ時間2の遅れ学習いずれの場合も、 教師信号No.2は、時間の刻みを小さくすることで移動距離の出力誤差と回転角度の出力誤差を小さくすることができることが分かった。

今後の課題としては、遅れ時間2の遅れ学習を用いた時出力誤差が不安定にならないようにすることである。

謝辞

最後に、本研究を進めるに当たり、1年間多大な御指導を賜わりました 出口利憲先生に深く感謝すると共に、同研究室において助言をいただいた 専攻科の今村豊治氏、古田彰吾氏、また同研究室で共に学んだ、 川延尚美氏、山田和慶氏、山口裕之氏に厚くお礼申し上げます。



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時11分43秒 JST