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2.2 ニューロンモデル

ここではMcCullochとPittsが提案したニューロンモデルを図2.2に示す。[3]

   figure24
図 2.2: ニューロンモデル

   eqnarray32

式(2.1)において、 tex2html_wrap_inline1616i番目の入力のシナプス結合の強さを表し、i番目の入力が来ると(すなわち tex2html_wrap_inline1622 )ニューロンの膜電位が tex2html_wrap_inline1616 だけ変化することを示す。 tex2html_wrap_inline1616 が正であれば興奮性シナプスを、負であれば抑制性シナプスを表し、また結合がなければ tex2html_wrap_inline1628 である。また式(2.1)の tex2html_wrap_inline1630 はしきい値を表し、各入力にシナプスの重みを掛けた荷重和 tex2html_wrap_inline1632 がしきい値 tex2html_wrap_inline1630 を越えたときのみ、ニューロンが興奮して電気パルスを出力する(すなわちy=1)離散時間モデルである。ニューロンモデルは、一種の多数決で出力を決める素子である。ただし、各入力 tex2html_wrap_inline1638 の一票の重みは tex2html_wrap_inline1616 であり、この一票の格差を積極的に利用するものである。この際抑制性のシナプスは、マイナスの票を投じることを意味する。

ニューロンモデルの各入力および出力は、1または0の値をとり、1はニューロンが興奮 tex2html_wrap_inline1610 発火した状態、0は静止状態に各々対応する。 このように、出力として0、1の二値をとるようなモデルを、 入力の総和がしきい値を越えた時のみ1を出力することから、 線形しきい値素子モデルという。

   figure46
図 2.3: ニューロンの出力

  equation54

連続モデルの場合の f[u] の形はいろいろなものが考えられるが、良く使われるのはシグモイド関数と呼ばれるものである。 シグモイド関数として有名なものは、

  equation62

という形のものである。



Deguchi Toshinori
1998年03月18日 (水) 13時22分42秒 JST