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4. 本研究の学習法

実際の神経細胞が回路網全体の様子を見る機構を学習のために持っているとは考え難い。そこで個々のニューロンが単独で自分の内部状態から判断して他のニューロンとの結合荷重を変化させる学習法を提案する。この学習法は下の学習条件が成立している時に結合荷重を変化させて学習を行なう。

学習条件

equation45

この学習法は相互結合の項が外部入力の項と同じ符合になるまで結合荷重を変化させる。両者が同じ符合になれば、ネットワーク全体のエネルギーの極小点に向かおうとする相互結合の力と、入力されたパターンに近付こうとする外部入力の力が同じ向きに働くようになる。それだけでは相互結合の項が弱いので、不応性の項と同じ大きさになるまで結合荷重を変化させる。結合荷重の変化は、個々のニューロンへ入力される外部入力項と他のニューロンの出力の積が正なら結合荷重を強め、負なら結合荷重を弱める。これを多数繰り返すことで入力パターンを学習することができる。また多数繰り返すことと、外部入力の項を時間加算することで、ノイズや欠落が存在しても正しいパターンを学習することができる。学習条件に変化量がないので入力パターンが変わるごとにニューロンの内部状態をリセットする必要はない。未知のパターンが入力された時、前に入力されたパターンと現在入力さているパターンの符合が違うニューロンの内部状態の推移と学習状況を図1に示す。

   figure48
図 1: 内部状態



Deguchi Toshinori
1999年04月27日 (火) 12時33分22秒 JST