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5.2 渡辺らの学習法

  渡辺らの学習法も本研究と同様に、個々のニューロンが単独で自分の内部状態から判断して、他のニューロンとの結合荷重を変化させて学習を行なう局所的な学習法である。本研究の学習法との違いは学習条件と結合荷重の変化式である。渡辺らの学習条件は式(5.4)で、ニューロンの内部状態の外部入力項と相互結合項の和が、設定してあるしきい値としきい値の間にあるときのみ結合荷重を変化させる。しきい値の設定は、既知パターンが入力された時は素早く上限しきい値より絶対値で大きくるような値で、未知パターンの時はなるべく長く学習条件を満たす値にする必要がある。

  equation387

この学習法の結合荷重の変化は、学習条件を満たしいるニューロンのみ次式を用いて変化させる。

  equation393

equation407

本研究で渡辺らの学習法を正確に再現することができなかった。それはカオスニューロンの各パラメータの値と、学習条件と結合荷重の変化の各しきい値の値が分からなかったためである。そこで新たに渡辺らの学習法の要素であるしきい値を使用した学習条件によるネットワークを作成した。今後この学習法をしきい値学習法と呼ぶ。しきい値学習法の学習条件は式(5.7)である。

  equation412

しきい値学習法では学習条件を満たしているニューロンのみ結合荷重を変化させる。 i 番目のニューロンの j 番目のニューロンからの出力に掛かる結合荷重 tex2html_wrap_inline1434 の変化は式(5.8)で表される。

  equation420

カオスニューロンの各パラメータは、本学習法で用いたパラメータを使用した。



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 09:07:09 JST 2000