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第7章 結言

長名・服部・萩原らが提案した学習法が、全てのニューロンの内部状態の情報を集めて学習の判断を行ない、一度に学習を行なう広域的な学習法を行なっていることから、個々のニューロンが単独で自分の内部状態から判断して学習を行なう局所的な学習法を提案し検討した。その結果から、局所的な学習法でも広域的な学習法と同様に未知パターンを学習することができ、ノイズが存在しても正しいパターンを学習できることも確かめられた。そして二つの学習法を比較したときに、学習できるパターンの数、ノイズ耐性の違いから局所的な学習法の方が広域的な学習法よりも、より良く学習が行えることが確かめられた。このことより、局所的な学習法である個々のニューロン自身により結合荷重の可塑性を持たせることは、パターンの想起、学習をするうえで有効な学習法であると考えられる。また渡辺・合原・近藤らが提案した学習法は、パラメータが不明なことなどにより正確に再現して比較することはできなかった。そこで新たに渡辺らの学習法の要素であるしきい値を使用した学習条件によるネットワークを作成した。それと比較すると、ノイズ耐性は若干本研究の方が優秀であった。また、しきい値を最適値に決めるのは難しため、学習条件にしきい値がない本研究の学習法の方がより良い学習法であると思われる。 本学習法の性能評果実験より、本学習法は相関学習より学習できるパターンの数が大変多く、相関学習の結合荷重の変化と比較して大変優秀な結合荷重の変化であるといえる。またセット回数を増やすことでノイズ耐性が良くなり、パターンの違いが少なくてもその違いの部分を強く学習することで違うパターンとして学習できることも分かった。このようなことから本学習法の有効性を示すことができたと考えられる。

謝辞

最後に、本研究を進めるにあたり、本科での卒業研究から三年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝いたします。また、同研究室において共に学んだ山田博久氏、畑中誠氏、寺井豊氏、森田治彦氏、廣瀬将丈氏に感謝いたします。



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 09:07:09 JST 2000