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6.6 パターンの距離

6.9は2個のパターンを学習させようとした時、パターンどうしがどれだけパターン距離があるパターンなら別々のパターンとして学習されるかを表している。学習に成功したかの判断には、学習後のネットワークの結合荷重値をホップフィールドネットに与え、それぞれのパターンを想起することができるかで判断した。パターン距離は、49個のニューロンのうち1つのニューロンへの入力が反転したパターンをパターン距離1とした。実験は1セットごとに各パターンを100回入力して学習を行なう。図より、たとえば2セットの学習を行なったとき、49個のニューロンの内6個以上違う入力があるなら、互いに違うパターンとして学習される。それ以下なら1個のパターンとして後に入力したパターンが学習され、前に入力されたパターンに上書きされる。セット回数を増やすことでパターン距離が小さい、つまり違いが少ないパターンでも、違うパターンとして学習することができる。このことから、本学習法ではセット回数を多くし、繰り返してパターンを入力することで、パターンの違う部分だけを多く学習することができる。つまり、互いに違う入力がされているニューロン間の結合のみ強化することができるのである。図より49個のニューロンへの入力パターンに2個の違いがあれば、入力回数は多くなるが違うパターンとして学習するこてができることが分かった。この場合、1回目のセット以外はこの違う2個のニューロンのみ学習を行なっていき、この2個のニューロンの互いを結ぶ結合荷重値が他の結合荷重値と比べて非常に大きくなり、違いを学習することができるのである。

   figure567
図 6.9: パターンの距離と学習



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 09:07:09 JST 2000