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2.2 ニューロンモデル

ここでは McCulloch と Pitts が提案したニューロンモデルを図2.2に示す[5]。

   figure57
図 2.2: ニューロンモデル

   eqnarray65

式(2.1)において、 tex2html_wrap_inline1304i番目の入力のシナプス結合の強さを表し、 i 番目の入力が来ると(すなわち tex2html_wrap_inline1310 )ニューロンの膜電位が tex2html_wrap_inline1304 だけ変化することを示す。 tex2html_wrap_inline1304 が正であれば興奮性シナプスを、負であれば抑制性シナプスを表し、また結合がなければ tex2html_wrap_inline1316 である。また式(2.1)の tex2html_wrap_inline1318 はしきい値を表し、各入力にシナプスの重みを掛けた荷重和 tex2html_wrap_inline1320 がしきい値 tex2html_wrap_inline1318 を越えたときのみ、ニューロンが興奮して電気パルスを出力する(すなわち y=1 )離散時間モデルである。ニューロンモデルは、一種の多数決で出力を決める素子である。ただし、各入力 tex2html_wrap_inline1326 の一票の重みは tex2html_wrap_inline1304 であり、この一票の格差を積極的に利用するものである。この際、抑制性のシナプスはマイナスの票を投じることを意味する。

ニューロンモデルの各入力および出力は、1または0の値をとり、1はニューロンが興奮・発火した状態、0は静止状態に各々対応する。 このように、出力として0、1の二値をとるようなモデルを、 入力の総和がしきい値を越えた時のみ1を出力することから、 線形しきい値素子モデルという。

   figure79
図 2.3: ニューロンの出力

  equation87



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 09:07:09 JST 2000