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実験4:$ \Delta w$ $ \alpha $ による学習への影響

本研究室の最近の研究で、結合加重の変化量$ \Delta w$ と不応性$ \alpha $ の値が学習に影響を及ぼす事が明らかになった[13]。 その研究において、ネットワークの素子数100の場合、表 5.2$ \Delta w$ $ \alpha $ の組み合わせにおいて、最大完全学習数が131となった。なお、入力パターンの1の比率は50%で一定で、$ \Delta w$ $ \alpha $ 以外のパラメータの値は、5.2節で述べたものと同様であった。本研究では素子数100、1の比率50%での最大完全学習数は90であったことから、$ \Delta w$ $ \alpha $ の値を変えたことが学習の向上に大きくつながったことが分かる。


表 5.2: 入力パターン数131での適切な組み合わせ
$ \Delta w$ 0.0001 0.0002 0.0002 0.0003 0.0003 0.0004 0.0005
$ \alpha $ 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08

ただし、その研究では$ \Delta w$ $ \alpha $ の値が、それぞれ最小で$ 0.0001$ $ 0.01$ までしか調べられていない。表 5.2を見る限り、それらをさらに小さい値に設定することで、最大完全学習数をより増加させることが可能だと考えられる。よって本実験では、更なる学習の向上のため、より詳細に$ \Delta w$ $ \alpha $ の関係を調べる。

$ \Delta w$ $ \alpha $ の設定値は次の3パターンとして実験を行った。

パターン$ (1)$ $ \Delta w$ $ 10^{-6}(=0.000001)$ $ 10^{-4}(=0.0001)$ まで$ 10^{-6}$ ずつ変化

$ \alpha $ $ 0.001$ $ 0.2$ まで$ 0.001$ ずつ変化

パターン$ (2)$ $ \Delta w$ $ 10^{-7}$ $ 10^{-5}$ まで$ 10^{-7}$ ずつ変化

$ \alpha $ $ 10^{-5}$ $ 10^{-3}$ まで$ 10^{-5}$ ずつ変化

パターン$ (3)$ $ \Delta w$ $ 2 \times 10^{-9}$ $ 2 \times 10^{-7}$ まで $ 2 \times 10^{-9}$ ずつ変化

$ \alpha $ $ 4 \times 10^{-7}$ $ 4 \times 10^{-5}$ まで $ 4 \times 10^{-7}$ ずつ変化

また、本研究では完全学習ができている際の$ \Delta w$ $ \alpha $ の組み合わせを「適切な組み合わせ」と呼ぶ。



Subsections

Deguchi Lab. 2012年3月12日