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ニューロン

ニューロンとは神経細胞のことで、 生物の脳は多数のニューロンで大規模なネットワークを構成している。

ニューロンは大まかに、細胞体、樹状突起、軸索の三つの部分に分けることができる。 細胞体は細胞の中央部分であり、細胞核はこの中にある。樹状突起は、細胞体の表面から突きでた、 多くの枝に分かれた突起ことである。 軸索は、細胞体からほぼ一定の太さで長く伸びた一本の突起である。 役割から考えれば、樹状突起はニューロンの入力部、軸索は信号伝送路といえる。 我々が神経細胞と呼んでいるものは、軸索である。軸索の先端が細胞体や樹状突起に付着している部分をシナプスという。

脳の内部にはニューロンが数千〜数千億程度ある。 また、軸索は十〜数百に分岐しており、シナプスを通して、数多くのニューロンと3次元的に結合している。 さらに1つの細胞が受けるシナプスの数は数百から数万に及ぶ。 生物の脳ではシナプスがニューロンを繋げて、ごく短時間で入力された膨大な情報を処理し、出力している。 ニューロンの構造を 図2.1に示す。

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図 2.1: ニューロンの構造

一般的に、細胞を包む細胞膜の内外では電位差が存在する。 これはニューロンでも例外ではない。 通常のニューロン内部の生体電位は、外部に比べて低いが、 シナプスより他のニューロンから入力信号を受けとることで、電位が上がる。 その電位がしきい値に達すると、ニューロンの内部電位が突然高くなる。 これを「発火」又は「興奮」したという。発火すると軸索にパルス電圧が伝わる。 出力されたパルスは他のニューロンの入力になる。



Toshinori DEGUCHI
2004年 3月17日 水曜日 10時27分17秒 JST