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ニューロンモデル

生体のニューロンを参考に、工学的にモデル化するには、 多数の入力の加重特性と発火のしきい値作用を特徴的な性質としてモデル化する。 ここでは、マッカロ (McCulloch) とピッツ (Pitts) が提案したものを 図2.2に示す。

   figure19
図 2.2: ニューロンのモデル

この図の tex2html_wrap_inline1098 は対象となるニューロンのi番目の入力であり、 0か1のパルス入力である。 tex2html_wrap_inline1102 は結合荷重と呼ばれシナプス結合の強さである。 tex2html_wrap_inline1104 はニューロンに対するしきい値であり、 ニューロンはこれを越えると興奮する。 yは出力である。このニューロンモデルについて以下の式を導くことができる。

  equation26

  equation31

式(2.1)で、uは膜電位、又は内部ポテンシャルと呼び、 i番目の入力が来ると(すなわち tex2html_wrap_inline1112 ) ニューロンの膜電位が tex2html_wrap_inline1102 高くなることを示している。 ここで tex2html_wrap_inline1116 ならば興奮性シナプス、 tex2html_wrap_inline1118 ならば抑制性シナプスを表している。 tex2html_wrap_inline1120 であれば結合していないということである。 tex2html_wrap_inline1104 はしきい値を表し、 各入力にシナプスの重みを掛けた荷重和 tex2html_wrap_inline1124 が しきい値を越えた時、 ニューロンは興奮する。 このモデルでは入力と出力は0と1の離散的な値である。 式(2.2)は出力関数で以下のように与えられている。

  equation38

この関数は階段関数であり図2.3となる。

   figure47
図 2.3: ニューロンの出力関数(階段関数)

マッカロとピッツのモデルは離散的な入出力であるが、連続的なモデルを考える場合、シグモイド関数と呼ばれるものを出力関数とすることが多い。 シグモイド関数として有名なものに式(2.4)がある。

  equation55

このシグモイド関数の特性は図 2.4 となる。

   figure61
図 2.4: シグモイド関数



Toshinori DEGUCHI
2004年 3月17日 水曜日 10時27分17秒 JST