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2.2 ニューロンの機能

ニューロン内部の電位は外部に比べて低い。 ところが、外部からの入力信号が到着すると、ある条件下のもとでニューロンが“興奮”し、内部の電位が突然高くなる。この時ニューロンは、“発火”したといい、時間幅にして1ミリ秒、電圧にして0.1ボルトほどのパルスが軸索を伝わっていく。 これが他のニューロンに信号として伝えられる。 この信号による電位の変動が本体にまで伝わっていって、そこで総和される。 総和がある閾値を越えた時、これが引き金となってニューロンは発火する。 閾値を越えなければ何事も起こらない。

先ほど、樹状突起にパルス電圧が与えられるとそこの電位をわずかに変えると述べたが、その変わり方はそこに与えられている重みによって変化する。 重みには正と負があり、ニューロンにも正の値で発火するものと負の値で発火するものがある。 正の値で発火するニューロンを興奮性ニューロンといい、他のニューロンの樹状突起の電圧を少し上げ発火しやすくする。 一方、負の値で発火するニューロンを抑制性ニューロンといい、他のニューロンの樹状突起の電圧を少し下げ発火を抑制する働きを持つ。

ここで、今まで述べたニューロンの働きを簡単にまとめておく。

以上のことを基に、ニューロンの数理モデルを作ることができる。



Deguchi Toshinori
Thu Mar 4 14:22:36 JST 1999