まず、神経細胞としてのニューロンについて述べる。
ニューロンは生体の中で情報処理用に特別な分化をとげた細胞である。
図2.1に示すように、ニューロンは本体の細胞体の部分と、複雑に枝分れた樹状突起と呼ぶ部分、同じく本体から1本だけ出ていて末端で多数に枝別れする軸索と呼ぶ部分の三つに分けられる。
軸索は細胞本体からの信号を他のニューロンに伝える出力用の線維である。
樹状突起は、他のニューロンからの信号を受けとる部分である。
すなわち、他のニューロンの軸索の末端がここに結合されている。
この結合部分をシナプスと呼ぶ。
一つのニューロンは、平均して1000本、多いものでは数万本の軸索から信号を受けとるという。
したがって、多数の軸索と結合するためには、樹状突起のような複雑なものをつくって軸索と結合する場所と広げる必要があった。
細胞本体は、多数の入力信号をもとに計算を実行し、その答を軸索から他のニューロンに伝える。