next up previous contents
Next: 5.3.2 ランダムパターンによる学習 Up: 5.3 実験及び考察 Previous: 5.3 実験及び考察

5.3.1 アルファベットパターンによる学習

学習可能なパターン数を調べるために、アルファベットの大文字と、小文字の52個のパターン図5.2 を使用した。

このパターンは、 tex2html_wrap_inline1163 の白いマスを黒の点と黒に塗りつぶしている。パターンを入力する時には一つのマスを一つのニューロンに入力し、黒の点のマスを-1、黒に塗りつぶされたマスを+1として入力する。したがって49個のニューロンが必要となる。

   figure275
図 5.2: 使用パターン

5.3 は52個のパターンを学習させた時、学習回数に対して学習できたパターン数がどうなるかを調べたものである。横軸の学習回数は各パターンを各々50回学習させたものを1セットとし、この実験では20セットまで学習を行なった。なお、 tex2html_wrap_inline1175 は0.005とした。

学習回数が少ないあいだは、学習成功パターン数は学習回数に比例するように増加しているが40個を越えたところから学習の速度が鈍り、50個を越えたあたりからほとんど学習が進まないが、最終的には52個のパターンすべてを学習に成功するこができた。

   figure284
図 5.3: 学習回数に対する学習可能個数

   figure291
図 5.4: ノイズに対する学習可能個数

次に学習させたネットワークにノイズを与えた入力を行ない、 その想起する確率をとった。 用意したネットワークは、それぞれ、 10種類、15種類、20種類、30種類、40種類、52種類の パターンを学習させたものについてノイズ耐性の実験を行なった。 学習回数は憶えさせるパターン数によらず、各パターン1000回である。その結果は図5.4 の様になった。学習個数の少ないものほどノイズに対しての耐性が強いことが分かる。10種類のパターンを学習させたものはノイズ数が5個、つまり49個ある入力の内1割にノイズがあってもすべて想起に成功していることが分かる。また、52種類のパターンを学習させたものはノイズに弱く、10個のノイズがあるだけでほとんど想起することができなくなっている。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 26 15:23:22 JST 2001