next up previous contents
Next: 2.3 ニューラルネットワーク Up: 第2章 ニューロンとニューラルネットワーク Previous: 2.1 ニューロンとは

2.2 ニューロンのモデル

ニューロンは興奮すると軸索に信号(電気パルス列)を送り出し、 興奮していない時はほとんど出さないため、 この電気パルスを0と1に量子化された信号と考え、 非興奮状態である時送り出される信号を0、 興奮状態である時送り出される信号を1とする。 興奮、 非興奮は、 受けとった信号の重みつき総和が、 そのニューロン毎にもつしきい値とよばれる値を越えるかどうかによって決まり、 越えれば興奮状態(出力の信号は1)、 越えなければ非興奮状態(出力の信号は0)となる。 以上の定義をもとにニューロンのモデル化を行なう。

一つのニューロンが n 個のニューロンから入力を受けている時に、 i番目のニューロンの入力を tex2html_wrap_inline1151tex2html_wrap_inline1153 )、 重みを tex2html_wrap_inline1155 とする。 すると i 番目のニューロンの入力は tex2html_wrap_inline1159 と表すことができる。 そして入力の重みつき総和は tex2html_wrap_inline1161 となる。 これがしきい値 tex2html_wrap_inline1163 を越えるとそのニューロンは興奮すると考えるため、 ニューロンの出力 y は次式(2.1)で与えられる。

  eqnarray32

式(2.1)を図で表したものが図2.2である。

   figure37
図 2.2: ニューロンモデル

式(2.1)の中の関数 f は出力関数といい、 入力の重みつき総和からしきい値を減じた値を utex2html_wrap_inline1171 )とおいて入力すると、

  equation49

という出力を出す関数である。 今回は入力の重みつき総和がしきい値を越えれば1、 越えなければ0という2値モデルであるので図2.3に示すような階段関数とよばれる出力関数を用いる。

   figure56
図 2.3: 階段関数

連続モデルの場合は出力関数には式(2.3)のような連続性のあるシグモイド関数と呼ばれるものを用いる。

  equation66

シグモイド関数は、 図2.4のような入出力の関係を表し、 階段関数とは異なり、 入力が0の辺りは連続的で、 0から離れるにつき1、あるいは−1に近付いていく特性をもつ関数である。

   figure70
図 2.4: シグモイド関数



Deguchi Toshinori
1996年11月26日 (火) 09時21分43秒 JST