神経細胞(Neuron)とは脳神経の基本構成素子であり、 これが人間の脳の場合100億から1000億個程度集まって、 3次元に密に回路網を形成している[1]。神経細胞は
細胞の中央部分に当るのが細胞体であり細胞核はこの中にある。 樹状突起は細胞体の表面から突き出た、多くの枝分かれした突起を指していう。 通常、1つの細胞体から数十の樹状突起が出ている。 軸索は細胞体からほぼ一定の太さで長く伸びた1本の突起で、 途中で数多くの枝分かれを持っている。 枝分かれした軸索の結末は、他の神経細胞の細胞体ないし樹状突起に付着している。 この付着している部分をシナプスという。 軸索は10ないし数百に分岐しており、シナプスを介して 数多くの細胞につながっている。 また、1つの細胞が受けるシナプス結合の数は、 数百ないし数千、まれには数万に及ぶ[2]。
以上で述べたニューロンの構造は図 2.1 のようになる。
シナプスにはシナプス前ニューロンのパルスにより、 シナプス後ニューロンの膜電位を上げるものと、下げるものの2種類がある。 前者を興奮性シナプス、後者を抑制性シナプスと呼ぶ。 興奮性シナプスの刺激により、シナプス後の膜電位は、 しきい値に近付いて興奮しやすい状態になる。一方、抑制性シナプスの刺激では 逆に興奮しにくくなる。
また、抑制には興奮性シナプスから放出される伝達物質の量を抑えることにより 抑制をかけるものもある。 これをシナプス前抑制と呼ぶ。