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3.2 カオスニューロン

カオスニューロンは、ニューロンをより脳内の神経細胞に近付けるため、 いろいろな改良がしてある。

実際の脳内の神経細胞の出力は、全か無かの法則に従わず、 出力にばらつきがある。 そこで、出力関数に単位ステップ関数の変わりに、シグモイド関数を使う。 シグモイド関数は図3.4と式(3.2)で表される。 図3.5は、シグモイド関数を微分した関数を示している。

   figure112
図 3.4: シグモイド関数

  equation121

   figure126
図 3.5: シグモイド関数の微分

tex2html_wrap1501 は、立ち上がりの鈍さを表すパラメータである。 この関数はニューロンにカオスを発生させるために取り入れられたが、 他にも、ニューロンの出力に使われている単位ステップ関数は不連続であるので 微分するとデルタ関数になり、コンピュータでは計算でないが、 シグモイド関数は微分がコンピュータで計算できるという利点がある。

もう一つの脳内の神経細胞の特徴に「不応性」がある。 不応性とは、脳内の神経細胞がパルスを発生した直後からしばらくの間は、 パルスを出力しにくくなる性質のことである。

カオスニューロンの出力は式(3.3)になる。

  equation136

tex2html_wrap1502 は入力情報を、 tex2html_wrap1503 は内部状態をそれぞれ表す。 これらを式で示すと、式(3.4)と式(3.5)となる。

   eqnarray141

これらの式は定数によって前述した不応性などの性質に加え、 入力値や内部状態の時空間加算が考慮されている。 また、図で表すと図3.6のようになる。

   figure154
図 3.6: カオスニューロンの構造



Deguchi Toshinori
Wed Feb 21 11:55:53 JST 2001