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アルファベット順に入力した場合

  同様の学習を、パターン数を増やして行う。 今回用いるパターンは先の26パターンに、図6.4に示すアルファベット小文字26パターンを加えた52パターンとする。

   figure342
図 6.4: アルファベット小文字26パターン

これをAからZ、次いでaからzの順に入力を与えて学習を行わせた際の状態を図6.5、図6.6に示す。 図6.6を参照すると、20セットを超えた時点で一旦全てのパターンに対しての学習を完了しているが、記憶が安定しない状態が40セット弱まで続くことが判る。 また、その後も更に学習を続けていくと、2500セット近辺で1パターンに対する忘却が発生していることが見て取れる(図6.5参照)。

   figure353
図 6.5: 52パターン・3000セットの学習成功数

   figure360
図 6.6: 初期の学習成功数(52パターン・3000セット)

更にこの時、忘れるのは決まってMのパターンであり、これは直後に学習しているN(4マスを除きMと同じ入力情報を有するMの類似パターン)の影響を受けている為であると考えられる。 これに対してNの忘却は起こらず、これは、NがMよりも後に入力されるためその学習はMの影響を受けず、故にNの学習はMほど酷く揺らがないためであると言える。 以上の理由から、Mの忘却ばかりが起きるのは、ネットワークの学習によって最も崩れやすいパターンが、この場合においてはMとなるためであると考えられる。

また、Nのパターンの影響を受けてMを忘却する際の想起結果を見ると、40セット頃までの忘却ではNに似たパターンでありながらNとは異なるパターン(図6.7参照)を想起しており、学習が進むと共にNのパターンに収束していた。 これより、Mに対する忘却が繰り返されながらも、パターン全体に対するネットワークの学習は、学習を繰り返す毎に強まって行くことが判る。

   figure368
図 6.7: 初期の頃のM忘却時の想起結果



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時24分52秒 JST