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入力順を変えた場合

  以上のように、Mは直後に入力されるNの影響を受けて忘却し易いという推論の元、パターンの入力順を変えての学習を試みる。

前節とは逆順のものや、数パターンずつに分割して順序を入れ替えたものなど数種を試した結果、Mよりも先にNを入力した場合にはMよりもNを忘れやすく、また、M, Nよりも後にHを入力した場合には、HはM, N両方に影響を与えやすいという傾向が見られた。 この時、Mを忘れた場合はNに、Nを忘れた場合はMに近づいたパターンを想起し(どちらも図6.7と同様の想起結果を示した)、また、M, Nよりも後にHが入力された場合は、M,N共に忘却時の想起パターンはHのパターンになることが多かった。

その他、d, g, yやU, Wは互いに影響を及ぼし合う様子が見られた(図6.8, 6.9)。

   figure380
図 6.8: 影響を及ぼし合うd, g, yの想起例

   figure387
図 6.9: 影響を及ぼし合うU, Wの想起例

また、全ての場合において、先に入力したものほど他の類似パターンの影響を受けやすく、後に入力したものほど他パターンの影響を受けにくい。 これは、5.3節で述べたパターン入力法をとる以上必然である。

以上の全ての場合において共通していたのは、一度忘却が起きたとしてもすぐにまたパターンを正しく学習し直して再び全てのパターンを記憶していることである。 これより逐次学習法の特徴である、正しく記憶しているパターンについては正しく想起し、正しく記憶出来ていないパターンについては新たに覚え直す作用[7]が常に為されていることが判る。



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時24分52秒 JST