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複数の乱数の種を用いた時の引き込み半径

パターンの2値の比率によって、入力したパターン同士が似ることで引き込み半径に影響を及ぼすということが考えられた。しかし、図6.3の2値の比率が低い10%や20%のような偏りのあるパターンの引き込み半径のグラフを見ても、従来の比率50%のグラフに対して細かな違いはあるもののほぼ同様の減少傾向が見られ、あまり2値の比率が影響していないように見えた。 また、この実験に用いたランダムパターンは特定のパターンしか用いていない。したがって、この変化が2値の比率が影響をしているか、この特定のランダムパターンによるものかは断定し難い。 そこで、2値の比率ごとに乱数の種を変えて調べることで引き込み半径と2値の比率の関係を調べていく。 本実験では、素子数100のネットワークに対して2値の比率が10%、20%、30%、40%、50%において、乱数の種を1〜4を用意して、それぞれの比率ごとにランダムパターンに使用する乱数を変えた時にどのような変化があるかを調べた。図6.7、図6.8、図6.9、図6.10、図6.11はランダムパターンの2値の比率が10%、20%、30%、40%、50%のグラフである。 横軸に学習させたパターン数、縦軸に引き込み半径をとり、乱数の種を1〜4まで変えた時の変化を示している。比率10%については乱数の種を変えた時には、多少減少の様子にばらつきがあったが大幅に減少の様子は変わっていなかった。他の比率のグラフを見ると、乱数の種を変えてもほぼ同様の減少傾向があることが確認された。

また、素子数200のネットワークに対してもそれぞれの2値の比率ごとにランダムパターンに使用する乱数を変えた時にどのような変化があるかを調べた。図6.12、図6.13、図6.14、図6.15、図6.16は、素子数200のネットワークでランダムパターンの2値の比率が10%、20%、30%、40%、50%と変えていった時のグラフである。素子数200では素子数100よりも乱数の種を変えた時の減少傾向のばらつきが少なくなっており、素子数が多くなっても乱数の種を変えた時はほぼ同様の減少傾向があることが確認された。

図 6.7: 乱数の種における引き込み半径(素子数100、比率10:90)
\includegraphics[width=13cm]{hikikomi100_r10.eps}
図 6.8: 乱数の種における引き込み半径(素子数100、比率20:80)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi100_r20.eps}
図 6.9: 乱数の種における引き込み半径(素子数100、比率30:70)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi100_r30.eps}
図 6.10: 乱数の種における引き込み半径(素子数100、比率40:60)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi100_r40.eps}
図 6.11: 乱数の種における引き込み半径(素子数100、比率50:50)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi100_r50.eps}

図 6.12: 乱数の種における引き込み半径(素子数200、比率20:180)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi200_r20.eps}
図 6.13: 乱数の種における引き込み半径(素子数200、比率40:160)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi200_r40.eps}
図 6.14: 乱数の種における引き込み半径(素子数200、比率60:140)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi200_r60.eps}
図 6.15: 乱数の種における引き込み半径(素子数200、比率80:120)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi200_r80.eps}
図 6.16: 乱数の種における引き込み半径(素子数200、比率100:100)
\includegraphics[width=14cm]{hikikomi200_r100.eps}


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Deguchi Lab. 2011年3月3日