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Flashコンテンツの作成

この章では、本研究で作成したFlashによる教育用コンテンツの内容について述べる。

本研究では、コンテンツの内容に対して、 どのような操作方法がユーザビリティの高いものになるかを調査する。 コンテンツは自身にとって身近なものを取り扱うこととし、 本校で学んだ経験のある内容に関する教育用コンテンツを作成することにした。 今回作成した教育用コンテンツを利用する人は、コンテンツの内容について一度以上学んだことがある人を対象とし、 コンテンツを利用することにより、内容を復習し、理解を深められるものとした。 コンテンツは、入力が行われると、画面が変化するものを作成した。

コンテンツの数は、コンテンツ内容とユーザビリティの関係性を調査するという目的から、複数用意する必要があったため、二つのコンテンツを作成した。 どのような操作方法がユーザビリティの高いものなのかについて調査するうえで、操作方法は複数用意し、その操作方法を比較するため、一つ目のコンテンツでは四つ、二つ目のコンテンツでは三つの操作方法を作成した。

用意した操作方法は、コンテンツによって異なるが、マウスのクリックによる入力、キーボードによる入力、マウスでのドラッグ&ドロップによる入力を取り入れたものとした。

用意したコンテンツは、一つ目がD-A変換器、二つ目が鉄の磁化特性に関するものである。

一つ目のD-A変換器に関するコンテンツでは、2進数を10進数に変化させる回路を示している。 回路上でスイッチを切り替えることで、2進数を設定し、回路での出力電圧が10進数に変換されている様子を示す。 スイッチの状態を変えると、回路に流れる電流が変化して、出力電圧に変化が起きる回路であるので、回路上のどこに電流が流れているのかを示し、それが出力電圧にどう影響するのかを分かりやすくするというねらいで作成した。

二つ目の鉄の磁化特性に関するコンテンツでは、磁性体である鉄(Fe)に磁界をかけたときの磁化が発生する様子を示している。 磁性体にかけられた磁界 $H$ と、それによって発生した磁化 $B$ の関係は、グラフに示すと、ヒステリシス曲線を描く。 ヒステリシス特性のグラフ自体は、本校での「電気磁気学」や「電気材料」などの講義において紹介されるが、コンテンツ上での操作により磁界を変化させ、そのときにどのような磁化の変化が起こるのかを、即座に見られるようにするというねらいで作成した。 なお、マイナループ(ヒステリシスループ上で、磁界を少し戻したときに、ループ上とは違う経路をたどり、磁界を戻す前の状態に戻すと、さらに違う経路をたどってループ上に戻ってくる時の磁化曲線)については、再現を省略している。

以後の説明では、どのコンテンツのどの操作方法なのかを示すとき、 例えば、テーマ1のD-A 変換器の、1種類目の操作方法は「1-1」のように、 「(コンテンツのテーマ番号)-(操作方法の番号)」という表記を用いる。



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Deguchi Lab. 2012年3月9日