効率性に対する評価が若干低かった。 この操作方法では、押すことができる矢印が常に複数用意されるようになっているが、その矢印が多く、わざわざ別の矢印にカーソルを持っていくという操作がしにくかったと考えられる。 そして、4.2.2 項で予想したとおり、矢印を押すと動くということが分かりづらいという意見が見られた。 学習のしやすさの評価では、4をつけた人が10人で一番多かったが、5をつけた人は2人で、他の評価をつけた人が大体同数であり、押すべきボタンがピンク色になっていて分かりやすいと感じたか、そもそも矢印が何のためにあるのかが分かりづらいと感じたかというところで評価が分かれたのではないかと考えられる。 この操作方法は、目標位置に到達するまでアニメーションがあり、アニメーションが終わってから次の操作をすることを想定していたが、実際には、アニメーションが起きている間にも矢印が押せる状態であったため、操作によっては磁化の変化が正しく表示されない場合があった。 アニメーションの速度は遅すぎないように考慮したが、一度に変化させる磁界の値が大きければ、それに比例してアニメーションが起きている時間も長くなる仕様だったため、その間に別の操作を行えるようになっていた。 エラー発生率の評価は、アニメーションの最中に操作を新たに行った人と、そうでない人で分かれた可能性がある。
記憶のしやすさに対する評価が若干高かった。学習のしやすさについても、半数以上が4以上の評価をつけている。 メーターの上と下に矢印を設けていたので、メーターが上向きか下向きに値を設定するものであることが分かりやすかったのではないかと考えられる。 しかし、効率性において、2の評価をつけた人が7人いた。 5の評価をつけた人は9人だったため、それよりは少ない人数ではあるが、矢印をクリックで連打するか、長押しをするかのどちらかで操作を行わないと、磁界を変化させられないため、一度クリックすれば動くという操作の方がよいという声があったため、長時間押す必要のある操作方法の効率が悪いと感じた人が、2の評価をつけたのではないかと考えられる。
効率性では4と5の評価をつけた人が合わせて20人いた。 ドラッグ&ドロップにより値を変化させる操作方法であるので、目標状態である値に近づけるまでにかかる時間が短くできるということから、効率性がよかったと感じられたと考えられる。 記憶のしやすさや主観的満足度に比べると、エラー発生率での評価を若干低めにした人が多い。 磁化が飽和した場合に、ドラッグをやり直さないと値を変化させられない仕様に違和感があった人がおり、思うように操作ができず、エラー発生率の評価を下げたのではないかと考えられる。
各操作方法を比較すると、評価の差は大きくついた訳ではないが、少しずつ差がついていた。 2-1と2-2を比べると、操作の際に押す矢印の数が、2-2の方が少なくなっており、そちらの方が効率性や主観的満足度が高かった。 さらに2-3の方が効率性で高い評価をつける人が多かったため、操作できるオブジェクトが少ない方が混乱せず、使いやすいと考えられる。 操作できるオブジェクトが少ないと同時に、操作に必要なクリックの回数が少ない2-3は評価が高くなっている。 さらに、2-3でドラッグをやり直さなくても値が変化できるような仕様にし、一度に思った操作ができる方がよいと考えられる。
また、2-1や2-2では、入力が可能であれば矢印を表示、そうでなければ矢印を非表示にしているので、入力できる方へ誘導が可能だが、2-3では、動かそうとしても動かないという反応がユーザーに返るだけで、どの範囲が動かせる範囲なのか分かりにくい。 2-3には、動かせる範囲を示すような機能を付けるべきであったと考えられる。