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2.3 パーセプトロン

パーセプトロンは、ニューラルコンピュータの原点であると同時に、 現在でも基本要素として重要なものである。 これは、ローゼンブラットによって提案された(Rosenblatt,1961) パターン認識(認識:perception)機械としてのニューラルネットワークであり、 名前もそこからつけられている。 その取り上げ方や応用はさまざまなものが可能であり、 例えば学習能力を持つ2値論理関数要素と見ることもできるし、 実時間信号を処理する適応フィルタと見ることもできる。 パーセプトロンは入力を tex2html_wrap_inline1190 、結合加重を tex2html_wrap_inline1192 、出力をzとするとき、

equation41

equation44

という特性を持った素子で、 入力ベクトルが各結合加重を各軸とする超空間中の超平面のどちらにあるかを 1か0で出力でき、線形分離可能な識別であればこの超平面を学習できることが証明されている。 線形分離不可能であっても中間(連合)層で前処理を行なって 線形分離可能にすることによってどのような識別でもできるようになる。 しかし、この前処理が最も難しい問題であり、 必要となる前処理がわかっているような問題は わざわざ線形分離するための学習をする必要のないものが多い。 パーセプトロンは発表当時の期待とは裏腹に、 どのような分類にも対応できるように連合層の素子を用意するとなると、 その数は天文学的な数字になる等といった否定的な結論が ミンスキー(Minsky)により証明され、ニューラルネットワークの研究熱は冷めていった。[###1#]



Deguchi Toshinori
Wed May 15 11:03:10 JST 2002