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4.2 ホップフィールドネット

  ホップフィールドネットは相互結合型ニューラルネットワークの一種で、 ニューロン間の結合荷重 tex2html_wrap_inline1497 は式(4.1)で表される。

  equation221

tex2html_wrap_inline1409 , tex2html_wrap_inline1529 は外部からニューロン i, j への入力で、0か1かの値をとる。 tex2html_wrap_inline1497 はニューロン j から i への結合荷重で、 M は学習させるパターンの最大数である。 始めに入力が与えられれば結合荷重は一意に決まるため、 一つのパターンを繰り返し入力に与えて学習させる必要はない。

想起には式(4.2)を用いる。

  equation234

tex2html_wrap_inline1543 は時刻 t の時の i 番目のニューロンの出力を表し、 N はニューロンの総数である。 このネットワークの出力関数 f2.1節で述べた 階段関数を用いる。

対称的なシナプス結合( tex2html_wrap_inline1553 )を持つある種の ニューラルネットワークにはエネルギー関数が存在する。 一般にネットワークのエネルギー関数は多くの極小点を持つ 多安定関数である。ネットワークの状態は常にエネルギー関数の 谷に向かって変化し、最後には必ず極小点に辿り着くように動作する。 この一連の動作は、斜面を転がるボールの動きに例えることができる。 斜面がエネルギー関数、ボールがネットワークの状態である。 [1]

ニューラルネットを連想記憶に用いる場合、 エネルギー関数の谷は学習したパターンとなる、 ネットワークへの入力がすでに学習したパターンであった場合 ネットワークの状態はすぐにエネルギー関数の谷に到達して安定し、 出力はそのパターンに収束する。しかし、 入力が未知パターンであった場合ネットワークの状態は 学習したどのパターンにも向かうことができず、 出力が収束するまでには時間がかかる。

ホップフィールドネットはあらかじめ学習させたいパターンを ネットワークに与えてニューロン間の結合荷重を変更し、 想起時にはその結合荷重を用いて想起を行なう。 つまり学習過程と想起過程は分離されたものになっている。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 19 13:32:26 JST 2001