入力パターンにノイズがない状態で、 アルファベットの大文字から順番にネットワークに入力して学習させ、 ホップフィールドネットを用いて想起することが できた最大個数をグラフにすると図 6.1 のようになる。 この時、総学習回数は10000回である。 図中において、学習法の1〜4は5.3節で述べた それぞれの学習法に対応している。 これ以降、ホップフィールドネットを用いた想起で 想起が成功したパターンを、学習できたパターンとする。
今回入力として用いた学習パターンはアルファベットや記号であるため 白と黒の配列に特徴があり、学習しやすいパターンと学習しにくいパターンがある。 全体的に他のパターンと共通する部分の少ない 小文字のaや大文字のKなど特徴のあるパターンは学習しやすく、 小文字のbと小文字のhのように、良く似たパターンが存在するものほど 学習しづらい傾向にある。
従来の学習法4を用いた場合、入力を増やしても それらすべてのパターンを学習することができた。 全60種類のパターンを学習することができたのはこの学習法のみである。
学習法1では、入力パターンの種類が35個までならば すべて学習することができたが、それ以上になるとすべての パターンを学習することができず、学習成功数の傾きは鈍った。
学習法2と学習法3は学習法4と比べてあきらかに学習成功数が少ない。 入力パターン数が30個の時点ですでに学習成功数は限界となっている。
このような結果になった理由を調べるため、 違った角度から学習の様子を調べることにする。