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6.5.1 学習法1と学習法4の比較

  図 6.13 に学習法1と学習法4の ノイズの数-学習成功数の特性グラフを表す。 総学習回数は共に10000回、入力パターン数は40種類、 学習ステップ数は10である。 この学習ステップ数は、それぞれの学習法でおおむね学習成功数の 多かった値である。

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図 6.10: 学習法1と学習法4のノイズ特性

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図 6.11: 学習法1の入力パターン数によるノイズ特性の変化

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図 6.12: 学習法4の入力パターン数によるノイズ特性の変化

入力に加えるノイズは、1ステップ毎にノイズを入れる場所を 変更しているため、今回用いた学習法のように入力の時間加算を 行なっている学習法では、入力を長時間加えることによって 正しい入力の部分とノイズの部分でニューロンへの入力に差が出てくる。 このためノイズ入力に対する結合荷重の変化は小さく、 正しいパターンの入力に対する結合荷重の変化は大きくなるので、 ノイズが入ったパターンでも学習することができるのである。 しかし、前に述べたようにノイズが増えることによって入力パターン中の 黒マスの割合が増え、どのパターンも同じような形になってしまうので、 パターン同士の判別は難しくなる。 そのため、学習法1、学習法4共にノイズの数が増えると 学習成功数は減少する。 特に、ノイズの数が20を越えた辺りから学習成功数は急激に減少し、 ノイズの数が35以上になると学習成功数はほぼ0となった。 ニューロンの総数が49個なので、ノイズが20個入るということは パターンの約40%が黒マスということになる。 つまり、1セット毎に最大40%のニューロンが間違った結合荷重の変化を 行なう可能性があるので、正しい学習を行ないにくいのである。

ノイズ耐性は学習法1より学習法4の方が若干良いといえるが、 ノイズに対しての特性に大きな違いは無く、 ノイズがある一定数以上になると急激に学習ができなくなる。 特に、学習法4は外部入力と他のニューロンの出力を学習に用いるため、 入力パターンにノイズが加わるとその影響を受けやすく、 ノイズによる学習成功数の変動が激しい。

ノイズの影響によって学習ができなくなるのは、 学習パターン同士の判別が難しくなるためなので、 学習させるパターン数が増えると それだけ学習成功数も減少して ノイズ耐性は低くなっていく。 その様子を、図 6.11 、図 6.12 に示す。 学習法1、学習法4ともに入力パターン数が増えると 学習成功数が減少し始めるノイズの数が少なくなっていく。 すなわち、ノイズ耐性が悪くなっていることを指す。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 19 13:32:26 JST 2001