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6.4 シナプス前抑制による制御

 

   figure560
図 12: シナプス前抑制

カオス状態を制御するには,カオスニューロンの内部定数 tex2html_wrap_inline1781 を, 外部から変化させることで可能である. しかし,シナプス前抑制では,外部から手を入れることなく, 直接ニューロンのシナプス結合を変化させることにより, 制御を行なうことが可能である. そこで,本研究では,このシナプス前抑制による制御を採り入れる.

シナプスとは,神経細胞と神経細胞の結合部分のことをいい, 一般に,次式のようにモデル化される.

  eqnarray567

次に,シナプス前抑制とは, 実際の神経回路網にも観られるもので,図 12 のように, 興奮性シナプスのシナプス前終末を脱分極させ, 興奮性シナプスから放出される信号の量を制御することにより 抑制をかけるものである[10].

これは, 式 (22) のシナプス結合荷重 w を制御するものと考えられる. また,本来シナプス前抑制は,興奮性シナプスのみに働くものであるが, 本研究においては,興奮性,抑制性に問わず一様に働くものとし, 次式のようにモデル化した.

  eqnarray579

シナプス前抑制関数 tex2html_wrap_inline1785 は,式 (24),図 13 のような階段関数を用いた. tex2html_wrap_inline1787 のときカオス状態, tex2html_wrap_inline1789 のとき 自己想起状態となる.

   figure590
図 13: シナプス前抑制関数

  eqnarray597



Deguchi Toshinori
1997年03月18日 (火) 14時34分51秒 JST