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6.2.3 3層モデルとランダム層モデルの比較

6.6に学習パターンに同一パターンがない場合の平均合致率を、図6.7に100%合致度数を示した。 また、図6.8と図6.9に同一パターンが1つの場合の平均合致率と100%合致度数を、 図6.10と図6.11に同一パターンが2つのばあいの平均合致率と100%合致度数をそれぞれ示した。

6.6を見ると、ノイズが20%から40%を越えた辺りまで、 3層モデルの方がランダム層モデルに比べて平均合致率がかなり高い。 また、図6.7の100%合致度数も、 3層モデルの方がランダム層モデルよりもかなり多く、 学習するパターンに同一パターンがない場合はランダム層モデルより、3層モデルの方が想起能力が高いといえる。

同一パターンが1つの場合は図6.8の平均合致率も、 図6.9の100%合致度数も3層モデルの方がランダム層モデルより高い。 しかし、先に述べた同一パターンがない場合に比べると、この2つのモデルの差は小さくなっている。

また、図6.10と図6.11からは、学習するパターンに同一パターンが2つある場合の想起能力が分かり、 これも、3層モデルの方が特性がよいが、他の2つの場合に比べ差があまりない。 これは、ランダム層モデルは再発部分系列の長さが大きくなっても想起能力が落ちないということであり、 このことからも、ランダム層モデルでは、「再発部分系列の長さに関わらず、ネットワークは2層でよい」ということが確認された。 また、ランダム層が学習するパターンの初期値が分からないため、想起能力に影響するのではないかと考えられたが、 結果を見る限りでは、ランダム層の初期値が分からなくても想起能力には影響がないといえる。

   figure529
図 6.6: 同一パターンがない場合の平均合致率

   figure536
図 6.7: 同一パターンがない場合の100%合致度数

   figure543
図 6.8: 同一パターンが1つの場合の平均合致率

   figure550
図 6.9: 同一パターンが1つの場合の100%合致度数

   figure557
図 6.10: 同一パターンが2つの場合の平均合致率

   figure564
図 6.11: 同一パターンが2つの場合の100%合致度数



Deguchi Toshinori
1996年10月29日 (火) 11時21分05秒 JST