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6.2.2 ランダム層モデルについて

6.4にランダム層モデルの平均合致率を、図6.5にランダム層モデルの100%合致度数を示した。 図6.4を見ると、ノイズが20%を越えた辺りから想起能力が落ち始めていることが分かる。 また、学習するパターンのサイクル内に同一パターンが2つある場合の想起能力が、他の2つの場合に比べ高い。 このことは、ノイズが35%を越えた辺りから極端に分かるようになっている。 1層の誤り訂正能力は学習させるパターン数とニューロン数の比によって決まり、 その比が大きければ誤り訂正能力は高くなる[7]。 式(4.9)から導き出される1層あたりの最大記憶パターン数は16から17であり、 同一パターンがない場合の学習パターン数は15と、容量一杯近くまで記憶させているため、誤り訂正能力はあまり高くない。 それに対し、同一パターンが2つの場合は、プログラム上でパターンを学習させる際、4つ目と5つ目のパターンを、 1つ目と2つ目のパターンと同じパターンとしているため、 実際に、このランダム層モデルの出力層が学習するパターンの数は13となり、 他の2つの場合に比べ少なく、誤り訂正能力が高いと考えられる。

また、図6.5を見ても同一パターンが2つある場合の100%合致度数が多い。 このことも、ノイズが35%を越えた辺りから極端に分かるようになり、 ノイズが50%の点では、他の2つに比べ10度近くも多くなっている。 しかし、その点の平均合致率には同一パターンの有無に関係なく殆ど同じであるため、 学習パターンに同一パターンが2つある場合は0%合致度数も多いことが分かる。

   figure502
図 6.4: ランダム層モデルの平均合致率

   figure509
図 6.5: ランダム層モデルの100%合致度数



Deguchi Toshinori
1996年10月29日 (火) 11時21分05秒 JST