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4.1 実験概要

用いられるパターンの数はバツ(X)・三角(T)・波(W)・星(S)・鎖(C)・花(F) の六つで ある。記憶させる周期パターンは図 4.2 の "X-T-W-X-T-W-X- tex2html_wrap_inline1248 " (周期パターン1) と図 4.3 の "S-C-F-S-C-F-S- tex2html_wrap_inline1248 " (周期パターン2)の2つで、どちらも周期は3である。

入力層にこれらのパターンが入力されると、カオスニューラルネットは その前の入力パターンなども考慮して、現在の入力パターンおよび近い過去に入力された パターンが周期パターンであるかどうかを判断し、それを出力層のニューロンに反映させる。 そのため、入力層にはパターンの画素に対応する 100個のニューロンを設け、 出力層には検出した周期パターンの種類を示すために 2個のニューロンを設けることが 必然的に定まる。中間層については一意にニューロンの数を定めることはできないので、 入力層のニューロン数と出力層のニューロン数から考えて、 50個のニューロンを 設けることにした。

   figure365
図 4.2: 周期パターン1

   figure375
図 4.3: 周期パターン2

今回の周期パターンの周期は3であるので、具体的な理想の動作としては次のように表せる。 すなわち、現在の入力が W のときに一つ前の入力が T で二つ前の入力が X である場合、 または現在が T でその前が X、W である場合、現在が X でその前が W、T である場合、 これら三つの場合にのみ出力層にある周期パターン1の検出用であるニューロン1が 発火する。また同様に、現在から過去二つにわたる入力が、F-C-S、C-S-F、S-F-C の 場合にのみ周期パターン2の検出用であるニューロン2が発火する。

最初から全ての周期パターンの周期が3であると限定すれば、普通のニューロンを使って 100% 検出が可能なネットワークを構築できるが、様々な周期の周期パターンを同時に 記憶させることはできなくなる。本研究ではカオスニューロンを使ったパーセプトロンに おいて、バックプロパゲーションにより周期パターンが学習できるかを検討することが 目的であり、完全に 100% 検出できなければならないということはない。



Deguchi Toshinori
1998年04月01日 (水) 12時03分23秒 JST