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4.3.3 考察

各パターンごとに結果を見てみる。

まず、グラフ(c)のパターン``CDE''についてみてみる。 グラフより、どの学習回数も発火すべき場所(以下、マークとする)で安定した高い出力が得られていることが分かる。 定義したニューロンの判定条件よりニューロンが発火していると考えると、検出は成功しているといえる。 また、学習回数100000回でこれだけ安定した出力が得られていることから、この時点で確実に学習ができているとみることができる。

次に、グラフ(b)のパターン``ABCD''についてみてみると、学習回数100000回ではマークのある場所では高い出力が得られているが、マークのない場所でも1箇所出力が出てしまっている。 その理由として、この場所は検出するパターンである``ABCD''の``A''と``B'が入れ替わっているだけであり、酷似したパターンであるためと考えることができる。 そのため、500000回、1000000回と学習回数が増えても、発火こそはしていないが他に比べると常に高い出力が得られている。

問題は(a)のパターン``EDCBA''である。 学習回数100000回では、発火こそはしていないもののかなり高い出力が得られている。 しかし、500000回になると、出力がほとんどなくなってしまっている。 1000000回でも、500000回に比べると高い出力は得られているが、やはり発火するまでには至っていない。

``CDE''の検出に成功したのは、パターン長が3と短かったため学習が容易だったと考えられる。 それに比べ``EDCBA''はパターン長が5と長く、パターンが長ければそれだけ初めの方の情報が薄れていることから、パターン長が3のときほどたやすくは学習できないことがわかる。



Deguchi Toshinori
1996年10月17日 (木) 12時31分30秒 JST