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2.2 ニューロンの機能

通常、ニューロン内部の生体電位は外部に比べて低い。 しかし、外部からの入力信号が与えられると、ある条件に達した時、ニューロン内部の電位が突然高くなる。 この時ニューロンは発火したといい、パルス電圧が軸索を伝わって他のニューロンに信号として伝えられる。 ニューロンが発火するメカニズムは、次に述べるものである。

ニューロンは、他のたくさんのニューロンと複雑に結合している。 ニューロンには樹状突起があって、それに他のニューロンが結合していることは前述したとおりであるが、その樹状突起に他のニューロンからのパルス電圧が与えられると、その電位がわずかに変わる。 他にもたくさんのニューロンの軸索の末端が樹状突起に結合しているので、その場所ごとで電位の変動が行なわれる。 それがニューロン本体に伝わり総和がとられる。 その総和がある閾値を越えなければ何事も起こらないが、閾値を越えた時それが引き金となってそのニューロンは発火する。 [3]

先ほど、樹状突起にパルス電圧が与えられるとそこの電位をわずかに変えると述べたが、その変わり方はそこに与えられている重みによって変化する。 重みには正と負があり、ニューロンにも正の値で発火するものと負の値で発火するものがある。 正の値で発火するニューロンを興奮性ニューロンといい、他のニューロンの樹状突起の電圧を少し上げ発火しやすくする。 一方、負の値で発火するニューロンを抑制性ニューロンといい、他のニューロンの樹状突起の電圧を少し下げ発火を抑制する働きを持つ。

ここで、今まで述べたニューロンの働きを簡単にまとめておく。

以上のことを基に、ニューロンの数理モデルを作ることができる。



Deguchi Toshinori
1996年10月17日 (木) 12時31分30秒 JST